Apple Watch series6(GPS + Cellular)・LTE環境での使用

検証と試行錯誤の記録。（大袈裟）

さて、先のエントリで書いたように、MVNOからauへMNPを使って転入し、Apple Watch用の「ナンバーシェア」の契約も行えたのですが、ここからが結構苦労しました。

苦労の原因は、自分がApple Watchを少々特殊な用途で使おうとした点にあります。
「丸1日Apple Watchだけで過ごす」「電話・SMSのやりとりと後は各種通知が受け取れればOK」という事で使おうとしたのですが、その際に自分の認識不足やあまり表だって話題になっていない仕様などから、ちゃんと使える状態を確保するのに時間がかかった、という事です。

一番のポイントは「Apple Watchを単体で使うと言っても、iPhoneはインターネットに接続された状態である必要がある。そうでない場合、結構な事ができなくなる」という点です。

仮にiPhoneがインターネットに接続されていない状態（電源オフの場合も）の場合、「各種アプリの通知」をApple Watchが受ける場合それは必ずiPhoneから受けているので、まずこれが全くできなくなります。コレについてはまあ分かるのですが、加えてSMSの送受信もできなくなります。電話の発着信は可能なのですが……

といった具合の状況に遭遇したのは、自分が最初「LTE通信時はとにかくバッテリーの消耗が激しい」と聞いていましたので、Apple Watch本体の「設定」画面でBluetoothやwi-fiを完全にオフにした上で、iPhoneは機内モード、で試したからです。
その後「アレ？」「アレ？」となって延々色々と設定を変えながら試行錯誤したのですが、それについては長いだけなので割愛します。

ともあれ。

Apple WatchをLTE環境で使う場合は「iPhoneを自宅等に放置するにしても、必ずインターネットに接続している状態にしておく。そうでなければかなりの事が出来なくなる」と考えた方がよいでしょう。
もちろん、ハード・ソフト共にApple Watchに備わっている機能（ワークアウト系統などなど）はもちろん使えますし、サード製のアプリでも問題なく使えるものはありますが、それも全てではないので注意が必要でしょう。

因みに。アップルのサイトにこういった「どういった状況だと何ができるか」についての説明はあるのですが、


iPhone が近くにない状態で Apple Watch を使う（Apple公式）


リンク先を見ていただくと分かるように「Apple Watchはモバイルデータ通信に接続されているが、iPhoneに接続できない場合」が抜けています。

恐らくバッテリーのもちの問題もあり「本当にApple Watch単体で使う」想定はメーカーもあまりしていないからかと思いますが、自分のような使い方をしようとしている場合は留意が必要となります。


といった具合に試行錯誤した結果「とりあえずは自分の目的（＝家にiPhone置きっぱなしで丸1日Apple Watchだけで過ごす）はバッテリーの問題さえなんとかすればいけそうだな、となったのですが、そのバッテリーについてもあまり他所で触れられていない疑問が湧きました。

基本的にはiPhoneとセットで使う場合（＝Bluetooth接続やWi-fi接続）よりバッテリー消費量は大きくなるのですが、その度合いが試す度に違っていたからです。

自分のApple Watchの設定としては「常時画面表示オフ」「腕を上げての画面表示オフ」「環境音測定はオフ」「Apple Watchで受ける通知は必要最低限に抑える」「アプリのバックグラウンド通信オフ」としています。また使用頻度としては「通知があったらデジタルクラウンを押して内容を確認する」「たまにちらっと電波状態等確認する」「でもほとんどそれ以外は触らない」といった具合です。

この状態で、恐らくはそれぞれで状況が違うからだと思うのですが、最も持ちが悪い状況だと「1時間で5％減少」とかだったのに対し、最も持ちが良い状況だと「3時間で10％も減ってない（すみません記録がとれてなかったので少々曖昧です）」と幅がありました。

最も持ちが悪い状況でも、自分の普段の使い方なら朝出かけて夜帰宅するまで、一度も充電しなくてもなんとかなりそうです。先達のレビューなどに較べると一番持ちの悪い状況でもだいぶ長い持ち具合となっているのは、恐らく徹底して電力消費しないように通知の種類を少なくしているのと画面点灯の頻度が低いからかと思います。
実際、テストで音声通話の着信を試したところ、受話せず短時間試しただけでもバッテリーがさくっと1％減ったりしていましたので、LTE通信の頻度をどれだけ落とすか、は重要なのかと思われます。

また、Apple WatchはそのサイズがサイズだけにiPhoneよりも電波の受信感度はよろしくないようなので、その場所の環境によっては電波を捉えようとする為に電力消費が大きくなっている可能性もあるかと思います。


ここまで（数日ですが）試行錯誤した結果、最終Apple Watchにアプリをインストールし使い勝手良くアプリの並びを変えた結果が以下となります。

Apple Watchでのアプリ一覧については標準設定であるキャプチャの「グリッド表示」以外に「リスト表示」に変更も可能なのですが、そちらだとデジタルクラウン一押しでスクロールさせずに確認できるアプリが5個程度となるので、自分はグリッド表示のままにした上で「使う頻度が高い・Apple Watch単体で使う可能性がある」アプリだけを中央に集めています。

ついでにこの状態で「iPhoneがインターネットに接続されていない状態」で自分が使いたいと思った機能やアプリについて検証しました。それが以下となります。

電話発着信：OK
SMS送受信：NG
標準メールアプリでのメール送信（キャリアメールとicloudメールのみ検証）：OK
Chirp for Twitter（Apple Watch用サード製twitterクライアントアプリ）：OK
Lens for Watch（Apple Watch用サード製Instagramクライアントアプリ）：OK
radiko for watch（Apple Watch用radikoアプリ）：OK
乗換案内：OK


とまあ。

自分としてはSMSが不可な以外は十分という感じですし、実際には家にiPhoneを置いていくにしてもインターネットに接続可能な状態で放置するわけなので、SMS送受信可能かつ加えて諸々の通知が受け取れるなら「何の問題もないかな」というところです。もちろん「webで何か検索する・閲覧する」といった事は無理なわけですが、それらがどうしても必要な場合は最悪社用スマホもありますし……

なお、radikoはiPhone用のアプリをインストールすると同時にインストールできるものがあるのですが、そちらは「単なるiPhoneアプリのリモコン」なのでApple Watch単体でラジオを聞きたい場合は上記の名称でAppStoreを検索してひっかかるものを入れる必要があります。
また、とりあげたサード製のクライアントアプリはTwitter・Instagram共にフル機能を使うには有料ですので「お好きな方はどうぞ」という感じです。またInstagram用のソレは投稿はできないようなので（まあApple Watchにはカメラついてませんし……）その点はご注意ください。

といったところで。
MVNO契約や、MNOでも最近各社がうちだした激安プランに較べると月額費用がかなり高くなりますので、その価値があるかと言われると結局「人による」になってしまうかと思います。
自分のような特殊な使い方はあまりされる方もいないかと思いますが、「iPhone持たずに過ごせたら非常に楽になる」という状況やその頻度が高い方ならアリな選択肢となるかもしれません。
逆に「それはないな」という方は安価で済む回線契約の方がいいでしょうし、Apple WatchはGPSモデルで済むので初期コストもかなり抑えられます。

自分としては当分「平日は自分のiPhoneを家に置く」をやっていこうと思います。
何かネタがありましたら、また。