harman/kardon SOHO WIRELESS

サヨウナラ、コンニチハ。

※以下で「音」について書かれている箇所はあくまで一個人かつ素人の主観の入った感想であり、さらに管理人は加齢で高い音が聞こえにくくなってきています。ですので「こういう考えもある」程度にお読みください。

beats epを、長年PC用として使ってきたソニー製のオンイヤーヘッドホン（MDR-570LP）と置き換えたところ早い段階で問題が露呈した。


耳が痛い……


PCの前に座って何かする際は時間が長くなりがちなのだが、音楽聞くにせよ止めるにせよそのままつけたまま……という使い方だとすぐに耳が痛くなってどうにもならない状態となってしまった。

装着感については個人差が大きいかとは思うが、どうもbeats ep、コストダウンの影響もあって上位機種ほどハウジング部分の水平方向への動きが大きくとれないようで耳への当たり具合に影響しているようだ。
頭に対して真横からまっすぐ耳に当たるかたちになるので耳の後頭部側に強く圧力がかかる事となり、自分の場合は割とすぐに痛みが発生した……と。

価格はお手頃であるし、つくりもまずまず。音や遮音性についてもちょうど良い具合で気にいったものだったが、コレでは仕方がない。
仕方ないのでひとまず引退させていた（でも処分せず置いてた）前述ソニー製ヘッドホンを復帰させた。しかし基本の音質は価格なり、かつ普通に低域がかなり少な目なヘッドホンなので、ちょっと流し聞きで音楽をという程度でもbeats epの後だと音にかなり不満が。


というわけで小口径・オンイヤータイプ・お値段それなり、なヘッドホンをまた探す事となった。
発売から時間が経っておりこなれた価格になっていた標題機種がすぐ目にはいったが、一応はその他も色々と見てみた。

が「どうせならワイヤレスでも使えるものにするか」という条件に絞った結果比較的早めに機種は絞り込まれ割とアッサリ標題機種に手を出そうという事になった。しかしここで、


「また耳が痛くなったらどうする？」


と流石に考えなおし、久方ぶりに店頭へ試聴ならぬ試着をしに行く事とした。仕事が長引かず早めに終われた日に開店間もない某イヤホンヘッドホン専門店の新店舗へ。開店間もないと言っても一か月近く経つくらいだからか、開店直後に寄った際より明らかにお客は少なく、御蔭でゆっくり「試着」できた。
但し「あわよくばついでに」と思っていた「試聴」の方は店舗内何か所かで流れていた割とキックの目立つ系統の音楽のせいでまともにできなかった。

目当ての標題機種は写真を見て把握していたつもりだったがハウジング部分はかなり小さく「コレ大丈夫かなあ」と思いながらの装着となったが、折り畳み機構搭載の御蔭でハウジング部分の自由度が思ったより高かったせいか、後頭部へ向かって斜め向きに張り出している耳の出っ張り具合にうまく沿うかたちとなり問題なさそうであった。

因みに他にもBT接続のヘッドホンが多数展示されていたので色々試してみたところ、オンイヤータイプだと耳へのあたり具合はB&WのP5 wirelessが一番良かったが、価格的に1ランク跳ね上がるのでそれは断念。

一旦帰宅後、通常バージョンにするかCOACHとのコラボバージョンにするか悩み、さらにCOACHバージョンのうちどちらにするか延々悩んだ結果、アニマル柄「ではない」方に落ち着いた。恐らく機会はあんまりないが、外で使う際の事も一応考えての選択である。（ただのオッサンですから……）

前置きがいつになく長くなったが、そういうわけで。

　

　

毎度の事ながらこの種のオサレヘッドホンは廃な方々が全くとりあげていない（B&WのP7以降あたりは音が良いので取り上げられてる方も結構おられるが）ので写真なども多めで。

パッケージ自体は共通のようだが表面に印刷されたヘッドホンの写真（CG?）はちゃんと該当するカラーによって変えているようだ。
同梱物は充電用のUSBケーブルに有線接続用の2.5mm3極→3.5mm3極ケーブル。各国語版掲載の説明書や注意事項の紙。さらに通常版ではそれなりに凝った感じの革製ケースが付属するようだが、今回選んだ限定版の場合は何故かこれが革「っぽい素材の」ポーチとなる。（COACHコラボなのに何故か）

外装関連で言うとbeats epや過去にもっていたB&W P3あたりだと自分の頭では「ヘッドバンドいっぱい伸ばしてギリ」くらいだったが、コレの場合はいっぱいまで伸ばすと大き過ぎて写真くらいでちょうど良い具合となった。ここからまださらに伸びるので恐らく多くの方が装着できるかと思うが「割と頭が大きい」と自負されている方はそれでも試着はされた方が良いだろう。

またBT接続対応なので充電が必要なわけだが充電用の端子は剥き出しではなく、昔のガラケーやスマホのような端子カバーがついたものとなっており個人的にはちょっと残念。この手のパーツは頻繁に開け閉めしていると割と早い段階でヤレますからなあ……


では到着直後の音を。
BT接続はAAC対応のiPod touch（第5世代）とapt-X対応の送信機を接続したDX90jにて。有線接続も同様の二機種で、音源は同じものをという事でCDからリッピングしたALACのものをメインに聞いてみた。
元々音質重視の機種ではないと思うし自分としても「まあほどほどに聞ければいいや」スタンスだったのだけども、ざっくりと以下のような具合であった。


・全体的に音の輪郭はそこまで明瞭ではないが、十分聞けるレベル。
・ドライバやハウジングの小ささからすると低域はしっかり鳴っているが、外使いだと不足を感じる程度なので盛り具合は少な目。
・全体的に残響音が付与されている印象。御蔭で小型のオンイヤータイプヘッドホンでよくある「閉塞感」はそこまで感じずに済むが、好みは分かれそう。
・そういうわけでそれなりに音の広がりは感じられるが、基本的に音そのものは近い位置で鳴るタイプ

・BT接続と有線接続の差はしっかり感じられる。また、有線接続の場合DX90jとiPod touchの差もしっかり感じられた。

・恐らく想定された購買層である「オサレなデザインのものが好きだが音について廃人ではない普通の人」の多くが聞いて「良い」と感じる仕上がりだが、廃な方々は突っ込み普通にいれそうな感じ

・無音時のホワイトノイズは静かな室内だと感じられる。また回路起因か周辺環境起因か分からないが、無音時にはホワイトノイズとは違うノイズも感じられた。

・iOS端末だとありがちだが「最少音量が大き過ぎる」と自分には感じられる場合が多かった。が、これについてはサードパーティ製の音楽再生アプリで回避できたのでそれでで対応する事とした。


と。店頭で比較した際にサイズが近いB&W P3S2あたりより明らかに低域が控えめだったが、静かな室内だと自分にはちょうど良いバランスとなった。
また一聴して「なんか音が妙に広がってないか」と感じられたところは個人的には「ワイヤレス接続含め気楽にゆったり聞く」用途なのでむしろありがたい色付けだが、聞く曲のジャンルや好みによっては余計なものに感じられるかもしれない。


ついでに音質とは関係ないところで気付いた事を。

恐らく店頭に並んでいた場合B&WのPシリーズあたりと比較される事が多いかと思うが、自分が過去に手にしたPシリーズと比較しても外装の品質については価格が少し上なだけあって、B&Wのソレの方が明らかに良いかと思う。
静かな室内で触っていて感じたのが「可動部の動きの渋さ」がそれだ。
ヘッドバンドの調整幅が大きいのところは有難いが、調整の為に動かした場合「何かが内部で接触している」ような音と手への感触に加え、伸びて出てきた金属部分に「内部で使われてるだろう接着剤か何かついてるよね」という「曇り」が見られた。
また折り畳み機構に絡む可動部は明らかに「金属同士が擦れている」のが手に伝わってきて若干不安になるところもあった。

これらは細かい話ではあるのだが、気になる方は気になると思うので個体差にせよそういう場合はあるヨ、という事で念のため。


またCOACHコラボと聞くと革の品質なんかに期待される方もおられそうだが、基本的にそこはあまり期待しない方が良いだろう。「発売当時にCOACHが展開していた柄がハウジングやヘッドバンドについてる」とか「パナソニックのライカの名前冠したコンデジのようなもの」くらいに考えておいた方が無難かと思う。

といったところで。いまいちな点もそれなりに挙げたが、自分としては結構気に入っている。自分が購入したharman/kardonの名前を冠したヘッドホンとしては3品目だが、それらの中では一番完成度が高いかなあとも思う。
発売から少々時間の経っているせいもあって実売価格は2万円少々。品質はともかく凝った見た目やデザインの付加価値も考えると、ほどほどの音質含め十分アリな製品かと思う。

ともあれ、物理的に耳に合わないとどうにもならいので気になられた方は是非とも店頭で試着を。

因みに。毎度のアフィリンクはアマゾンのソレを貼っているが、自分の選んだCOACHコラボモデルが欲しい方は、このエントリを書いている時点だと通販サイト利用の場合ヨドバシでは何故か価格が逆転しているので、そちらもチェックされると良いかもしれない。