Shure SRH144

ふらり。

※以下で「音」について書かれている箇所はあくまで一個人かつ素人の主観の入った感想であり、さらに管理人は加齢で高い音が聞こえにくくなってきています。ですので「こういう考えもある」程度にお読みください。


また仕事が酷い事になってストレスが……といいった毎度のノリではなく、そこそこ長い期間「んーどうしようかなあ」と迷っていた買い物があって、それが「音質にはそこまでこだわらないが、楽に聞けるヘッドホン」だった。
季節的にヘッドホンつけても汗だくにならなくなってきたのもあるが、イヤホンだと感じる耳への異物感がつらいなと感じる場合がまああって。


現状は「一応」ハイレゾが再生できるAndroidスマホと第6世代のiPod touchで音楽を聞いてる状態なので、そもそもアンプにパンチがないとダメなヘッドホンや、殊更に高音質なものを買ってもあまり意味がないというのもあり、1万円までで探していた。
気が付くとゼンハイザーのamperiorを見たりしていたが……「そんな金額出していい状態ではないだろ」「このクラスに手を出すとまた『手段と目的が逆転』になるのでは」という事でひとまず耐えた。


ゼンハイザーの安価な開放型オンイヤータイプ定番機かなあと思っていたところ、ふとこれの存在を知り「ゼンハイザーのヘッドホンは散々買ってきたしなあ」という事でこちらに。
兄弟機（姉妹でもいいが）として密閉型のSRH145もあるが、基本的に開放型大好き野郎なのでちょっと迷ったがこちらを選んだ。

　

　

　

　

各所の写真だとお値段よりも「高級感」のある感じだが実物はそこまでではないかと思う。
ヘアライン仕上げっぽい部分は「それっぽい樹脂塗装」であるし、光沢仕上げの部分が傷に弱いようで「最初からざっくり傷が」なんてレビュー記事もあった。自分の手元に届いたものはそこまで酷い傷はなかったが、それでもほんの僅かだがスレ傷のようなものがエッジ部分にあったりした。

海外メーカー製品の、実用に支障のない傷や汚れはもう気にしないようになってる自分なのでこの程度はなんとも思わないが、気になる方はご留意のほどを。

また、側圧はそれなりにあるので、サイズが合うかも含め少し時間をかけての試着もされた方が無難だろう。あとは細かいハナシだが、価格が安い機種だからかジャックは非金メッキだった。

あとバンド部分が伸縮するのではなく、ハウジング部分がスライドしてのサイズ調整となっておりそこはデザイン重視の製品らしいところだが、クリック感のあるスライド部分の感触がそんなに良くないのも、お値段なりというところだろうか。


ともあれ到着直後の出音を。DAPはiPod touch（第6世代）とハイレゾネイティブ再生対応（らしい）のAndroidスマホLGL22を。またPCにHUD-mini軽油も。音源は例によって非可逆圧縮音源と可逆圧縮音源にハイレゾ音源も一応聞いてみた。でざっくり以下のような感じ。



全体的に柔らかめで聞き疲れしない音

低域は控え目。屋外利用想定のオンイヤータイプ小径ヘッドホンとしてみると物足りない。

音場は、開放型と聞いて大きなドライバを積んだアラウンドイヤータイプヘッドホンの開放型……のようなものを想像するとダメだが、「セミ」オープンである事と小径のオンイヤータイプヘッドホンである事を考えると、ほどほどに広い。但し、ボーカルの帯域は結構近い。また広いといってヌケの良い所謂開放型のもつ広さではなく、閉じた空間で少し距離がある、といった具合。

それなりの録音がされたものであれば、圧縮音源とそれ以外の違いはしっかり分かるし、ハイレゾについてもそれなりに違いは分かった。

個人的には、低音控えめかつボーカルの帯域が近いあたりで「Shureらしい」と感じられた。



てなところで、自分は例によって室内でしか使わないので楽に聞くには低域の控え目さ加減はちょうどいい感じだが、屋外利用だと低域の少なさはちと厳しいかと思う。
また「自分にはちょうどいい感じ」とは言ったが、特に低い音がドスドス入っているような打ち込み系の曲を聞くと、ちょっと物足りなさを感じるところはある。
低域の量感と、音の輪郭の明瞭さが欲しい場合は密閉型の兄弟機を選ぶか、そもそももっとグレードの高い機種を選んだ方が良いかもしれない。


個人的には想像より満足できる感じだった。「５～６千円クラスのヘッドホンで何かない？」と人に聞かれたら際に一つ選択肢としてあげるヘッドホンが増えたように思う。